サーバを新しいサーバと入れ替え、新サーバのIPアドレスを旧サーバと同じものに設定したら、パソコンから接続できないということになる場合があります。その場合さらにpingコマンドをそのIPアドレスに実行してもタイムアウトになります。
その原因はARP(Address Resolution Protocol)です。サーバ、パソコン等、ネットワークに接続されている機器は、イーサネットというネットワークの仕組みを通して通信を行っています。イーサネットにおける通信はIPアドレスではなくMACアドレスで行われていて、IPアドレスからMACアドレスを取得する仕組みがARPです。サーバ更新前にパソコンから旧サーバに接続する時は、旧サーバのIPアドレスに対するMACアドレスをARPで取得し、パソコン内に一定時間記憶します。その記憶したIPアドレスとMACアドレスの情報がクリアされる前に、新サーバに接続しようとすると、新サーバと旧サーバのIPアドレスは同じでもMACアドレスが異なりますので、接続できないという結果になります。
このような場合どうすれば良いかと言うと、ARPで取得し記憶した旧サーバの情報がクリアされるのを待てば、新たに新サーバのMACアドレスをARPで取得しますので、接続できるようになります。ただその待ち時間は機器によって異なり、ネットワーク機器の場合数時間記憶してたりします。確実なのは各機器で記憶したARP情報をクリアするコマンドを実行することですが、パソコンであればすぐに実行できたとしても、サーバとパソコンの間にネットワーク機器がある場合ネットワーク機器にログインする必要があり、実際は難しいこともあります。この場合はサーバからそのネットワーク機器にpingコマンドを実行すれば、ネットワーク機器のARP情報を更新することができます。
もし旧サーバと新サーバのIPアドレスを同じにしてサーバを更新し、パソコンから新サーバに接続ができない場合、上記を参考にして頂ければと思います。